FX取引の顧客の損失補填(ほてん)を行った疑いで逮捕された「東郷証券」の役員が実質的に経営する別の商品先物取引会社が、外注費を水増しするなどして数億円の所得を隠していた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。東京地検特捜部は法人税法違反の疑いでも捜査を進めているものとみられます。
プロ野球 巨人の元投手で「東郷証券」の役員の林泰宏容疑者(58)は、FX取引で損失を出した顧客の損失補填を行ったとして、先月、金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
林役員は損失を出した一部の顧客に対し、みずからが実質的に経営する大阪の商品先物取引会社「さくらインベスト」に口座を開設させ、金融商品の取り引きで利益が出たように装うなどして損失を穴埋めしていたと疑いがあるということですが、その後の調べで、林役員がシステム開発会社への外注費を水増しするなどして、この会社の所得数億円を隠していた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。
特捜部は林役員について法人税法違反の疑いでも捜査を進め、隠した所得の使い道などについて解明を進めているものとみられます。
-- NHK NEWS WEB