軍に関する機密情報が漏れた疑いがあるとして、公共放送に対する家宅捜索が行われたオーストラリアで、連邦警察が記者の通話記録やインターネットの履歴など、大量の情報を収集していたことがわかり、地元メディアは反発を強めています。
オーストラリアのメディアは、9日、連邦警察が記者の通話記録やインターネットの履歴など、大量の情報を収集して捜査を行っていたと報じました。
それによりますと、2017年度に記者の通話記録などを収集できる特殊な令状が2つ発行され、複数の記者を対象に合わせて58回、情報が収集されたということです。
捜査対象となった記者は明らかになっていませんが、オーストラリアでは、公共放送のABCが、軍の機密情報をもとにアフガニスタンに派遣された兵士が民間人を殺害したと報道し、先月、連邦警察の家宅捜索を受けていて、担当した記者の可能性があるとみられています。
オーストラリアでは、通信会社が顧客の通話記録などを2年間保管することが義務づけられ、警察による捜査が可能となっていますが、記者の通話記録などが収集されたのは初めてです。
収集されたデータから記者の情報源が明かされる可能性もあるため、地元メディアは反発を強めています。
連邦警察はNHKの取材に対して、事実関係を認めたうえで、「通信記録などへのアクセスは捜査の重要な手段だ」として、記者の通話記録なども捜査できるべきだとの考えを示しています。
-- NHK NEWS WEB