日本郵政傘下のかんぽ生命で、顧客が新しい保険と前の保険の保険料を6か月間、二重に支払った事例が2万件余りあることが分かりました。保険を販売した郵便局員が受け取れる手当てが減るのを避けるために、顧客が不利益を被った可能性が出ています。
かんぽ生命によりますと、平成28年4月から去年12月までの2年9か月間に、新規の保険契約のうち、顧客が6か月間前の契約と二重に保険料を支払った事例が、およそ2万2000件あったということです。
中には、顧客の意向に沿わない形で二重払いになっていた事例が確認されたとしています。
かんぽ生命の保険の販売は全国の郵便局員が担っていて、顧客が新たな契約をしてから6か月以内に前の契約を解約した場合、「新規契約の獲得」ではなく、「契約の乗り換え」と見なされ、保険を販売した郵便局員が受け取れる手当てが半分に減る仕組みがあります。
このため、手当てが減るのを避けて満額を受け取るために、顧客にとって不利益な方法を取らせていた可能性が出ています。
こうしたことから会社は、手当ての在り方を含め、販売方法の改善策を検討しています。
かんぽ生命をめぐっては、これとは別に、顧客に不利になるような保険の乗り換えや、健康状態などの問題で乗り換えができず無保険の状態になる事例など、不適切な保険の販売が相次いで確認されていて、会社が詳しい調査を進めています。
-- NHK NEWS WEB