東京電力・福島第一原子力発電所の事故の収束作業などに従事したあとで、白血病を発症した元作業員の男性が賠償を求めている裁判が、2日から東京地方裁判所で始まり、東京電力などは訴えを退けるよう求めました。
この裁判は、原発での作業に従事したあと、急性の白血病を発症して労災と認定された北九州市出身の男性が、東京電力と九州電力に対して、合わせておよそ5900万円の賠償を求めているものです。
男性は、平成23年10月から平成25年12月までの間、合わせて1年半にわたって福島第一原発の事故の収束作業や九州電力の玄海原発の工事などに携わっていて、被ばくを防ぐ対策が不十分だったと訴えています。
2日から東京地方裁判所で審理が始まり、男性は「被ばくを抑える鉛のベストが足りず、着用せずに作業をするなど劣悪な労働環境だった。事故を収束させたいという作業員の思いに応えず、労働者を使い捨てるような扱いをしてきた会社の体質を明らかにしたい」と訴えました。
これに対して東京電力と九州電力は、いずれも訴えを退けるよう求め、今後の審理で具体的な主張を明らかにする考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB