かんぽ生命は、顧客が保険料を二重に支払った事例が2万件余りあるなど不適切な販売が相次いで確認された問題で、10日にも記者会見して陳謝し、顧客への対応や販売方法の見直しについて明らかにする方針です。
かんぽ生命では、去年12月までの2年9か月間に、新規の保険契約のうち、顧客が6か月間、前の契約と二重に保険料を支払った事例がおよそ2万2000件確認されました。
保険の販売は全国の郵便局員が担っていて、顧客が新たな契約をしてから6か月以内に前の契約を解約した場合、「新規契約の獲得」ではなく、「契約の乗り換え」とみなされ、保険を販売した郵便局員の手当が半分に減る仕組みがあります。
また、前の契約を解約してから3か月以内に新たな契約が結ばれた場合も「契約の乗り換え」となります。
かんぽ生命によりますと、解約後4か月から6か月たって新たな契約を結ぶ事例がおよそ4万7000件あり、顧客はこの間、無保険の状態だったおそれがあるということです。
これらは、郵便局員が手当が減るのを避けるために行われていた可能性が出ています。
会社は10日にも記者会見して陳謝するとともに、かんぽ生命の植平光彦社長をトップとする新たな組織をつくって顧客対応にあたることや、手当の在り方を含めた販売方針の見直しについて明らかにすることにしています。
かんぽ生命では、ほかにも不適切な保険の乗り換えが確認されていて、抜本的な対応を打ち出せるか、問われることになりそうです。
-- NHK NEWS WEB