半導体の原材料など安全保障に絡んだ物資の貿易管理が課題になる中、経済産業省は日本の先端技術についても貿易管理を進め対外戦略に活用することを目指して、専門の部署を新たに設けました。
政府は軍事転用も可能な半導体の原材料などの輸出をめぐって不適切な事案があったとして、韓国向けの輸出規制を厳しくする措置をとりました。
その一方でこうした原材料に限らず、AI=人工知能やバイオテクノロジーなどといった先端技術も、軍事への転用だけでなく輸出先の国の産業の発展にも大きな影響を与えるため、貿易管理を適切に行うことが課題となっています。
このため経済産業省は、日本が持つ先端技術の貿易管理に向けて調査を行う専門の部署を、ことし4月に新たに設立しました。
省内のいくつもの部署に分散していた情報を新たな部署に集約し、日本の企業や研究機関がどんな先端技術や製品を持っているのか、輸出先でそれらがどのように使われているのかなどを把握することで、より厳格な貿易管理につなげるねらいがあります。
先端技術の貿易管理をめぐっては、アメリカが輸出規制の検討を進めるなど世界的な流れになることも予想され、日本としても今後、対外戦略に活用することを目指しています。
-- NHK NEWS WEB