大手機械メーカーの「三菱重工業」は、納入の延期が続く国産初のジェット旅客機=MRJを開発する子会社「三菱航空機」の社長を交代させ、体制を一新して開発を加速することになりました。
発表によりますと、三菱航空機の森本浩通社長は来月末に退任し、新しい社長には三菱重工で防衛事業などを担当している水谷久和常務執行役員が4月1日づけで就任します。
MRJは、主要な部品で設計の見直しが必要となったことから、航空会社への納入時期について「来年の半ば」としていたのを「2020年半ば」とし、5度目となる延期を発表しています。
三菱重工は、体制を一新して遅れているMRJの開発を加速することにしたもので、三菱重工の宮永俊一社長は記者会見で、「グループとしてMRJの開発を進めていくことの表れで、組織をまとめるのに水谷さんが適任だ。社員の皆さんにもう一回、頑張ろうと思ってもらうための人事だ」と述べました。
一方、三菱重工のグループ全体の去年4月から12月までの9か月間の決算は、MRJの開発費の増加や客船事業の採算の悪化などで112億円の最終赤字となりました。
-- NHK NEWS WEB