アメリカと中国が貿易問題で激しく対立する中、台湾の蔡英文総統は、滞在先のアメリカで台湾のビジネス環境は中国より自由だとアピールし、台湾への積極的な投資を呼びかけました。
台湾の蔡英文総統は、外国訪問に先立ち、経由地のアメリカ ニューヨークで企業関係者を集めた会合に出席しました。
この中で蔡総統は、IT関連の産業などでアメリカと台湾の部品の供給網、サプライチェーンは深く関わっているとしたうえで、「長年、双方の企業は信頼できる最高のパートナーで、緊密に連携している」と評価しました。そして「台湾のビジネス環境は自由で、中国とは異なり法を守り、知的財産の保護も徹底している」と述べて、台湾への積極的な投資を呼びかけました。
台湾では、優秀な人材が待遇のよい中国に流出することが課題となっていますが、このところ、グーグルやアマゾンといったアメリカのIT企業が台湾への投資を増やして新たに拠点を設けていて、台湾当局はこれを機に人材の流出を防ごうとしています。
米中が貿易問題で激しく対立する中、中国に投資していた台湾企業も地元での投資を増やしているケースもあり、蔡総統としてはアメリカからもさらなる投資を引き込んで、台湾経済の活性化につなげたいねらいがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB