台湾の最大野党の国民党は、来年1月に行われる総統選挙に向け、党の公認候補に南部の高雄市の市長を務める韓国瑜氏を擁立すると発表しました。現職の蔡英文総統が再選を目指す中、国民党は型破りな政治家として人気を集める韓氏の擁立によって政権交代を目指します。
台湾では民進党の蔡英文総統の任期満了に伴う総統選挙が来年1月に行われ、民進党は、蔡総統を擁立して政権の続投を目指す方針です。
こうした中、最大野党の国民党は15日、世論調査の結果で高雄市の市長を務める韓国瑜氏の支持率が44.8%と、候補者に名乗りを上げた5人の中で最も高かったとして、党の公認候補に韓氏を擁立すると発表しました。
公認候補選びでは、シャープを傘下に置く企業グループの創業者、郭台銘氏が韓氏と激しく争いましたが、支持が伸びず及びませんでした。
韓国瑜氏は62歳。国会議員に当たる立法委員などを経て、去年11月、民進党の地盤だった高雄市の市長選挙で当選しました。軽快で分かりやすい口調が特徴で、従来にない型破りな政治家として人気を集めています。
国民党は韓氏の擁立によって党勢を勢いづけ政権交代につなげたい考えですが、台湾では香港で続くデモをきっかけに、中国に対する警戒感が若い世代を中心に強まっていて、中国に融和的な立場を取る国民党にとって不安材料になっています。
また韓氏が市長への就任から1年もたたないうちに総統選挙に立候補することを疑問視する声もあり、こうした懸念を払拭(ふっしょく)して幅広い支持を得られるかが国民党にとって課題になっています。
-- NHK NEWS WEB