太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、日本が求めてきた仲裁委員会の開催に韓国政府が応じなかったことから、河野外務大臣は韓国のナム・グァンピョ(南官杓)駐日大使を呼び、強く抗議しました。河野大臣は「韓国政府が行っていることは第2次世界大戦後の国際秩序を根底から覆しているに等しいものだ」などと厳しく指摘し、早期の是正を求めました。
太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、日本政府は日韓請求権協定に基づいて第三国を交えた仲裁委員会の開催を韓国政府に求めていましたが、韓国政府は18日の最終期限までに応じませんでした。
このため河野外務大臣は19日午前、韓国のナム・グァンピョ駐日大使を外務省に呼び、強く抗議しました。
河野大臣は「今回の対応は非常に残念だ。国際法に違反している状況を放置しているのは極めて問題で、韓国政府が今行っていることは第2次世界大戦後の国際秩序を根底から覆しているに等しいものだ」と厳しく指摘し、早期の是正を求めました。
これに対しナム大使は、河野大臣の要求を本国に伝えるとしたうえで、日本政府による輸出規制を念頭に「日本側の一方的な措置で両国民と企業が困難な状況に陥り、被害が発生している。韓日関係の根幹を損なわせ、両国の基本的な関係に損傷を与える状況は、一刻も早く解消されるべきだ」と述べました。
またナム大使が、「徴用」の問題の解決に向け、先月、韓国政府が提案した案を説明しようとすると、河野大臣は発言をさえぎり、「その提案は以前、国際法違反の状況を是正するものではないと伝えている。それを知らないふりをして改めて提案するのは極めて無礼だ」と強い口調で述べました。
さらに河野大臣は韓国側が輸出規制を批判していることについて、「徴用」をめぐる問題と関連しているかのように位置づけるのをやめるよう求めました。
-- NHK NEWS WEB