京都アニメーションは、京都府宇治市に本社がある、アニメーションを制作する会社で、1981年に設立されました。それまで東京一極集中だったアニメーション業界で京都にスタジオを構えて次々とヒット作を発表してきました。
中でも2006年にテレビアニメシリーズが始まった「涼宮ハルヒの憂鬱」は常識外れの女子高校生「ハルヒ」と友人たちがさまざまな事件に遭遇するSF作品で、ストーリーを引き立てる魅力的なキャラクターが人気を呼びました。
またエンディング曲の「ハレ晴レユカイ」に合わせてキャラクターが踊るシーンが話題となり、このダンスをそっくりにまねして踊る姿をインターネットに投稿するのがブームとなりました。
日本だけでなく海外の人たちからも投稿が相次ぎ、日本のアニメの国際的な人気を象徴する現象の1つとなっていました。
2007年に放送されたテレビアニメ「らき☆すた」は、アニメの舞台となった埼玉県久喜市の鷲宮神社に多くのファンが訪れるなど、いわゆる「聖地巡礼」ブームの先駆けとなった作品としても知られています。
このほかにも「けいおん!」や「たまこまーけっと」などのヒット作を次々と生み出してきました。
映画の製作も行い、特に山田尚子さんが監督を務めた「聲の形」は、2016年に公開されると海外の映画祭にノミネートされるなど大きな話題となりました。
若いクリエーターの育成にも力を入れ、丁寧に描き込まれたクオリティーの高い映像表現を強みに、「京都アニメーション」の名前は日本アニメの一つのブランドとして世界中のアニメファンの間で「京アニ」の愛称で親しまれています。
アニメ研究者で明治大学の氷川竜介特任教授は「地方に拠点を置くスタジオができる突破口になるなど日本のアニメを変えてきた会社だ」と話していました。
-- NHK NEWS WEB