京都市の「京都アニメーション」のスタジオが放火された事件で、安否が分からなくなっている津田幸恵さん(41)の父親の伸一さんが、兵庫県加古川市の自宅で娘への思いを語りました。
伸一さんによりますと、津田幸恵さんは高校を卒業後、アニメ制作の専門学校を経て、およそ20年前に「京都アニメーション」に就職しました。
アニメの仕上げを担当しているということです。
伸一さんは18日午後3時ごろ、ニュースを見た親族からの電話で事件を知り、何度も幸恵さんの携帯電話に電話しましたが、つながりませんでした。
幸恵さんとはふだん、仕事中でも携帯電話で連絡が取れていたため、不安が募ったといいます。
事件翌日の19日午前、警察から連絡を受けて京都市に向かうと、犠牲者が多く、DNAによる鑑定が確定するまでには、最低でも1週間程度かかるなどと説明を受けたということです。
伸一さんは「突然降って湧いたことで、とにかく安否が気がかりです。ふだんどおりの日常が続くと思っていましたが、大きなショックを受けています」と、涙ながらに話していました。
幸恵さんは絵を描くのが大好きで、子どもの頃、学校から帰ると家でアニメのキャラクターなどを描いていたといいます。
大人になってからは、会社の近くで一人で暮らしていますが、年末やお盆には実家に帰り、大好きなアニメの仕事について楽しそうに話していたということです。
伸一さんは「幸恵は小さいころからぜんそくで苦しんでいたが、つらい気持ちを和らげてくれたのが絵だったのかもしれない。静かだが胸の内に思いを秘めてこつこつと努力する性格の娘です」と話していました。
-- NHK NEWS WEB