5年前、札幌市の病院の23歳の看護師が自殺したのは、過酷な勤務が原因だったとして、遺族が国に労災と認めるよう求めた裁判の第1回口頭弁論が開かれ、国側は遺族の訴えを退けるよう求めました。
札幌市豊平区にあるKKR札幌医療センターの看護師、杉本綾さん(23)は、5年前うつ病を発症して自宅アパートで自殺しました。
これについて母親が、毎月の時間外勤務が60時間から90時間に達する過酷な勤務が原因だったとして、労災と認めるよう求めましたが、基準となる月100時間を超えていないことなどを理由に労働基準監督署が認めなかったことから、国に対し、この判断を取り消すよう求めています。
3日、札幌地方裁判所で開かれた第一回口頭弁論で、母親は「大学を出たばかりの娘は重い患者の病棟を担当し、必死に格闘していた。同じ残業時間でもデスクワークの場合と、常にナースコールの対応に追われて走り回る看護師とでは全く違う」と訴えました。
一方、国側は訴えを退けるよう求め、今後の裁判で具体的な主張を行う方針を明らかにしました。
-- NHK NEWS WEB