アメリカのトランプ政権は、イランが弾道ミサイルの発射実験を行ったことなどに対して、新たに個人や企業に対する経済制裁を行うと発表して、イランへの圧力を強化する方針を鮮明にし、今後、両国の間で緊張が高まることが懸念されます。
アメリカ財務省は3日、先月29日にイランが弾道ミサイルの発射実験を行うなど、ミサイル開発を続けているうえ、中東でテロ活動への支援を行っているとして、これに関連する13の個人と、中東や中国に拠点を置く12の企業を制裁の対象に追加すると発表しました。
具体的には、これらの個人や企業がアメリカ国内に持つ資産を凍結し、金融機関などとの取り引きを禁じる措置が取られることになります。
イランはおととし、アメリカなど関係6か国と核開発をめぐる合意を交わしましたが、今回の制裁について、アメリカ政府高官は、あくまでもミサイル開発などを対象としたもので、核合意には反していないと強調しました。
トランプ大統領は3日、ツイッターで、「イランは危険な火遊びをしている。オバマ前大統領は優しかったが、私はそうはいかない」と投稿し、ホワイトハウスのスパイサー報道官も会見で、「イランとの核合意が、アメリカの利益に沿わないのは明白だ。われわれは、あらゆる選択肢を排除しない。イランの行動に対し、適切な対応を取っていく」と述べました。
トランプ政権は、オバマ前政権が取ってきたイランとの対話路線を転換し、圧力を強化する方針を鮮明にしており、今後、両国の間で緊張が高まることが懸念されます。
-- NHK NEWS WEB