アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は30日から金融政策を決める会合を開きます。
アメリカ経済は株価が最高値の水準で推移するなど拡大が続く一方、米中の貿易摩擦の長期化で先行きへの懸念も出ていて、FRBがおよそ10年半ぶりの利下げに踏み切るのか世界の注目が集まっています。
FRBは30日から2日間の日程で金融政策を決める会合を開きます。
焦点は政策金利の引き下げを決定するかどうかです。
アメリカ経済は、失業率が49年ぶりの水準に改善し株価が最高値の水準で推移するなど、現状では拡大が続いています。
その一方で、米中の貿易摩擦が長期化しアメリカ企業が設備投資を控える動きが出ているほか、物価の上昇率も目標を下回り、景気の先行きには懸念もあります。
こうした状況を踏まえ、FRBのパウエル議長は今月開かれたアメリカ議会の公聴会で「アメリカ経済の拡大を維持するため、適切な行動をとる」と述べ、景気が減速する前に予防的に利下げを行う可能性を示唆しています。
これに対してトランプ大統領は29日ツイッターで「EU=ヨーロッパ連合や中国は金利をさらに引き下げるだろう。一方でFRBは何もしない。とても小さな対応しかしないだろう」と投稿し、大幅な利下げを行うよう強く迫りました。
FRBは去年12月まで段階的に利上げを進めたあと、ことしは金利を据え置いて、景気の動向を見極める姿勢を続けてきました。
今回およそ10年半ぶりの利下げに踏み切れば、世界のお金の流れを変えて世界経済にも大きな影響を与えるだけに、FRBの判断の行方に注目が集まっています。
-- NHK NEWS WEB