アメリカのトランプ大統領は、リーマンショックのあとに成立した金融規制改革法が、金融機関に過度の規制をかけていたとして、見直しを指示する大統領令に署名し、オバマ前政権から政策を転換する姿勢を鮮明にしました。
アメリカでは2008年のリーマンショックのあと、利益至上主義への批判などから、金融機関への監督を大幅に強化する金融規制改革法が成立しましたが、金融業界からは規制が厳しすぎるという声が上がっていました。
トランプ大統領は3日、ホワイトハウスで、金融規制改革法が金融機関に過度の規制をかけていたとして、見直しを指示する大統領令に署名し、オバマ前政権から政策を転換する姿勢を鮮明にしました。
また、これに先立って、トランプ大統領は企業経営者らとの会合で、「金融規制のかなりの部分を緩和していきたい。すばらしいビジネスをしている多くの友人が、金融規制によって銀行がお金を貸さないため十分な資金を得られない」と述べ、規制緩和を進める考えを強調しました。
金融規制の緩和をめぐっては、金融取り引きが活発になって景気が後押しされると期待する見方がある一方、規制の緩和を進めすぎれば、リスクが高い取り引きが増えて、再び金融危機を招くおそれがあるとして、慎重に検討すべきだという指摘も出ていて、大統領令を受けて今後、議論が本格化することになります。
-- NHK NEWS WEB