大手製薬会社のエーザイが「てんかん」の薬を開発するために行っていた臨床試験で、薬を投与された健康な成人男性の被験者が、先月死亡していたことがわかりました。薬の投与と死亡との因果関係は分かっておらず、厚生労働省は臨床試験に問題が無かったか調査しています。
東京 文京区に本社がある大手製薬会社「エーザイ」によりますと、新しい抗てんかん薬を開発するための臨床試験で、試験に参加していた健康な成人男性が、治験薬を投与された後、先月に死亡したということです。
エーザイは、死因などについてはプライバシー保護のため明らかにできないとしたうえで、投薬と死亡の因果関係はわかっていないとしています。
臨床試験はおととし12月から先月まで行われていて、ほかにも117人の男性が参加していましたが、これまでのところ重い副作用は報告されていないということです。
今回の臨床試験は、薬の安全性を確認するために原則、健康な人に投与してその影響を調べるもので、厚生労働省によりますと、健康な成人を対象にした臨床試験で死亡者が出るのは極めて異例だということです。
厚生労働省は臨床試験が計画どおりに行われていたかや、安全対策に問題は無かったかなどについて調査を進めています。
エーザイは現在、治験薬の投与をすべて中止していて「被験者が亡くなったことは極めて重く受け止め、引き続き安全性に十分配慮し医薬品の研究開発を行ってまいります」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB