今年度の最低賃金の引き上げを議論してきた厚生労働省の審議会は、全国の平均で、27円引き上げて時給901円とする目安を示しました。最低賃金が時給で示されるようになって以降、最も大きい引き上げで、目安通りになると東京と神奈川は時給1000円を超える計算です。
最低賃金は、企業が従業員に最低限支払わなければならない賃金で、毎年、労使が参加する厚生労働省の審議会で引き上げ額の目安を示しています。
審議会は、30日午後から議論を重ねた結果、全国平均の時給で27円引き上げ、901円とする目安を示しました。
27円の引き上げは最低賃金が時給で示されるようになった平成14年度以降、最も大きい引き上げとなります。
引き上げ額の目安を地域別に見ると
▽東京、大阪、愛知などのAランクが28円
▽京都、兵庫、広島などのBランクが27円
▽北海道、宮城、福岡などのCランクが26円
▽青森、愛媛、沖縄などのDランクが26円となっています。
今後、示された目安をもとに都道府県ごとに最終的な額が決定しますが、仮に目安通りになった場合、東京が1013円、神奈川が1011円と、初めて時給1000円を超える計算です。
最低賃金は昨年度まで3年連続でおよそ3%の大幅な引き上げが行われていて、政府が全国平均をより早期に時給1000円に引き上げるという目標を掲げる中、今回も、経営者側が大幅な引き上げを認める形で決着しました。
-- NHK NEWS WEB