日本で最初の雑誌の図書館として知られる東京の「大宅壮一文庫」が、慢性的な経営難を受け、施設の存続のために、個人や企業などから寄付金を募る新たな支援制度を8月から始めることになりました。
東京 世田谷区にある「大宅壮一文庫」は、昭和を代表する評論家でジャーナリストの大宅壮一の蔵書をもとに昭和46年に作られ、明治時代からのおよそ1万2600種類の雑誌、80万冊を所蔵しています。
しかし、インターネットの普及などで利用が激減し、慢性的な経営難が続いていることから、施設の存続のため、個人や企業などから寄付金を募る新たな支援制度を来月から始めることになりました。
年額で個人は1万円から、企業や団体は10万円から寄付を募り、金額に応じて入館料無料などの特典を用意するということです。
大宅文庫では、2年前にも「クラウドファンディング」で寄付を受けていますが、今後、老朽化した施設の修繕工事も予定されていて、今回の制度に踏み切ったということです。
大宅壮一文庫の鳥山輝専務理事は、「雑誌がどんどん減る中で、現物を所有する大宅文庫はネット化されていない情報の宝庫で、今後も存続する責任があると思います。幅広く呼びかけたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB