韓国のイ・ナギョン(李洛淵)首相は、日本政府が輸出管理の優遇対象国から韓国を除外する決定を行ったことについて「韓国に対する2度目の報復だ」としたうえで、「日本は越えてはならない一線を越えた」と非難しました。
日本政府は半導体の原材料などの輸出管理を強化したのに続いて、2日、輸出管理の優遇対象国から韓国を除外することを決めました。
これについて韓国のイ・ナギョン首相は3日に開いた臨時の閣議で「韓国に対する2度目の報復だ」としたうえで、「自由貿易体制を脅かし、日米韓3か国の安全保障協力に亀裂を生じさせる措置であり、日本は越えてはならない一線を越えた」と非難しました。
そして韓国の国会で2日に可決された追加の補正予算のうち、2732億ウォン、日本円で240億円余りを活用して、影響を受ける韓国企業への支援や半導体の原材料などの開発を進める考えを示しました。
さらにイ首相は、同盟国のアメリカをはじめ国際社会に働きかけて「日本の措置は不当だ」とする韓国政府の主張への理解を広げていきたいという考えを示しました。
今回の日本の措置をめぐっては、ムン・ジェイン(文在寅)大統領が2日、「事態をより一層悪化させる無謀な決定であり、責任はすべて日本政府にある」などと非難したほか、韓国政府がWTO=世界貿易機関への提訴に向けた準備を急ぐなどとする対抗措置を発表し、強く反発しています。
-- NHK NEWS WEB