週明け5日のニューヨーク株式市場はダウ平均株価が一時、先週末に比べて960ドル下落するなど、大幅に値下がりしました。市場関係者の間には中国当局が、通貨・人民元安を容認することで自国の輸出を有利にする「通貨安競争」を引き起こし、米中の貿易摩擦がさらに激化するのではないかという見方が出ています。
週明け5日のニューヨーク株式市場、ダウ平均株価の終値は、先週末に比べて767ドル27セント安い、2万5717ドル74セントでした。
下げ幅は率にして2.9%で、値下がり額とともに、ことし最大でした。
また、5日のヨーロッパ市場も、ロンドンが2.4%、ドイツのフランクフルトが1.8%、それぞれ、大きく値下がりしました。
株価の大幅下落の背景には米中の貿易摩擦が「さらに激化する新たな局面に入ったのでは」という見方があるためです。
5日、中国の通貨・人民元は、1ドル=7人民元台と、11年5か月ぶりの元安・ドル高水準を付けました。
これは貿易摩擦による中国経済の減速懸念によるものですが、市場関係者の間には、中国当局がこの人民元安を容認することで、アメリカの関税に対抗する形で、自国の輸出を有利にする「通貨安競争」を引き起こしているのではないかという見方が広がっています。
人民元安の動きに対して、トランプ大統領は「為替操作だ」などと述べて、強く批判しています。
米中の貿易協議は来月に予定されており、それまでに実質的なやり取りがなければ対立がさらに激化し、マーケットが荒い値動きを繰り返すことも予想されます。
-- NHK NEWS WEB