外国為替市場で円高ドル安が進んでいることを受けて、企業の間では、今年度の想定為替レートを円高方向に見直す動きが出ています。一段と円高が進んだ場合、メーカーを中心に業績への影響は避けられません。
トヨタ自動車は、今月2日の決算発表で、今年度の業績見通しの前提となる想定為替レートを、それまでの1ドル=110円から1ドル=106円へと円高方向に見直しました。
このところの円高ドル安の流れを反映したためで、これに伴って、今年度1年間の売り上げや営業利益の見通しも下方修正しました。また、ソニーも、今回の決算発表で想定為替レートを、1ドル=110円前後から1ドル=108円前後へと修正しました。
メーカー各社は、海外生産の比率を増やすなど、為替レートの変動の影響を抑えるための取り組みを進めてきました。
ただ、依然として影響はあり、ドルに対して、1円の円高が進んだ場合、年間の営業利益で見ると、トヨタで400億円、日産自動車で110億円、日立製作所で25億円減少するということです。
また、ソニーは、ユーロに対して1円の円高が進んだ場合、営業利益が50億円減るとしています。
一段と円高が進んだ場合、メーカーを中心とした国内企業の業績への影響は避けられず、各社は当面、為替市場の動向や背景にあるアメリカと中国の対立の行方を注視することになります。
-- NHK NEWS WEB