羽田空港を発着する国際便を増やすための都心上空を通過する新たな飛行ルートについて、石井国土交通大臣は「地元の理解を得られた」として来年3月29日の「夏ダイヤ」から運用を開始することを明らかにしました。なぜこのタイミングで、国は、都心上空を通過する新ルートの運用を決定したのか。国の担当者は国際線のダイヤ改正に向けたスケジュールが影響していると説明しています。
国際線は、世界各国の航空会社で作る国際民間機関「IATA」の取り決めでは年に2回、毎年3月と10月にダイヤ改正が行われます。
3月が「夏ダイヤ」、10月が「冬ダイヤ」です。
東京オリンピック・パラリンピックに向けて国際線を増便させようと思うと、来年3月の「夏ダイヤ」の改正がラストチャンスになります。
そのために国土交通省は事前にいくつかの手続きをクリアしなければならないといいます。
具体的には、来月上旬から世界の航空会社に向けて、羽田空港の国際線の増便について正式に周知するとともに、発着枠の希望を募る必要があります。
そして、10月上旬ごろにはその募集を締め切り、その後、各国の航空会社と調整に入る手続きとなっています。
また、新たな飛行ルートを設定するためには、特殊な機器を載せた飛行機によるルートの安全性を確認する検査飛行をおこなったうえで、飛行経路を運用のおよそ1か月前から航空会社などに周知することが必要です。
国土交通省はこうした手続きなどを考えて、この時期に、運用決定を公表することになったとしています。
-- NHK NEWS WEB