日本が、海外との貿易やサービスなどの取り引きでどれだけ稼いだかを示す、ことし6月までの上半期の「経常収支」は、黒字の額が去年の同じ時期と比べて4000億円余り減りました。米中の貿易摩擦を背景に、中国への輸出が大きく減少したためです。
財務省の発表によりますと、ことし1月から6月までの上半期の「経常収支」は、10兆4676億円の黒字でしたが、黒字幅は前の年の同じ時期と比べて4584億円減りました。
これは、海外との貿易でどれだけ稼いだかを示す「貿易収支」の黒字幅が去年の同じ時期より1兆5616億円、率にして87.4%減少したことが主な要因です。
米中の貿易摩擦を背景に、中国向けの半導体製造装置や自動車部品、それに鉄鋼の輸出が大きく落ち込みました。
一方、海外との配当や利子のやり取りでの稼ぎを示す「第一次所得収支」は、海外にある日本の子会社から受け取る配当金が増えたことなどから、10兆5923億円の黒字となったほか、「旅行収支」も日本を訪れる外国人旅行者が増えたことから、1兆3199億円の黒字でした。
合わせて発表されたことし6月の「経常収支」は、1兆2112億円の黒字で、60か月連続の黒字となりました。
-- NHK NEWS WEB