抗議活動が続く香港で、航空会社の従業員がストライキに参加して多くの便が欠航したことなどを受けて、中国政府は航空会社に対し、10日からこうした従業員が香港と中国本土を結ぶ便の業務にあたることを認めないなどと通告しました。抗議活動を抑え込むため圧力をかけた形です。
香港では、容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案をめぐる抗議活動が続き、今月5日にはSNSの呼びかけに応じた香港の航空会社キャセイパシフィックの従業員もストライキに参加して、合わせて160便以上が欠航となりました。
これを受けて中国の航空当局は9日、キャセイパシフィックに対して通告を出し、10日から抗議活動に参加した従業員は香港と中国本土を結ぶ便の業務にあたらせないことや、11日からは中国の上空を通過する便の業務に関わるすべての従業員の資料を提出し、審査を受けるよう求めたほか、今月15日までに会社の内部管理を強化する対策を提出するよう要求しました。
通告の理由について航空当局は、パイロットの1人が過激な抗議活動を行い、暴動罪で起訴されたにもかかわらず業務を続けていることなどを挙げ、安全上重大な懸念があるためだとしています。
通告を拒めば会社の経営は成り立たないものとみられ、中国政府としては抗議活動を抑え込むよう航空会社に強く圧力をかけた形です。
-- NHK NEWS WEB