アメリカのトランプ大統領は中国との貿易交渉をめぐって、「合意する準備はできていない」と述べて、来月上旬に予定されている閣僚級交渉を見送る可能性もあるという考えを示し、先行きが不透明になっています。
米中の貿易交渉をめぐってトランプ大統領は9日、ホワイトハウスで記者団に対し「中国は合意したがっているが、私は合意する準備はできていない」と述べ、中国側が十分に譲歩していないとしていらだちを示しました。
そのうえで来月上旬に予定されている閣僚級交渉を中止するかどうか問われると「そうかもしれない。何が起きるか見てみよう」と述べ、交渉を見送る可能性もあるという考えを示しました。
さらに中国の通信機器大手ファーウェイについて「取り引きを行わない」と述べ、一部、緩和するとしていた取り引きを見合わせる考えを明らかにしました。
今月に入ってトランプ大統領は、中国がアメリカ産の農産品の輸入を拡大するとした約束を守っていないとして、来月1日、中国からのほぼすべての輸入品に高い関税をかけると表明しました。
また中国は人民元を意図的に安く誘導しているとして、25年ぶりに「為替操作国」に認定するなど圧力を強めていて、交渉を優位に進めるねらいがあるとみられます。
ただ仮に閣僚級交渉が見送られれば、米中の対立は解決の糸口を失うおそれもあり、先行きが不透明になっています。
-- NHK NEWS WEB