日韓関係の悪化が続く中、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる裁判の原告側の弁護士が日本で会見し、賠償協議によっては日本企業の資産の売却手続きを停止する可能性を示したうえで、日本企業や日韓両政府に対し問題の解決に取り組むよう求めました。
太平洋戦争中の「徴用」をめぐる裁判の原告側の弁護士が11日、都内で会見し、輸出管理をめぐり日韓関係が悪化していることについて声明を発表しました。
原告側は声明で、「日本企業との間で協議の場が設けられ、日韓両国政府がそれを尊重する姿勢をとることこそ日韓関係改善に向けた確実な第一歩になる」として、日本企業と日韓両政府に対し問題の解決に取り組むよう求めました。
原告側は、日本企業が韓国で所有する株式などの資産を差し押さえ売却して現金化する手続きを順次始めていますが、会見で原告側の弁護士は「企業との協議が進めば現金化する手続きを止められる」と述べて、協議の進展に応じて手続きを停止する可能性を示し、協議を呼びかけました。
この問題をめぐっては韓国政府が、日本政府が求めていた仲裁委員会の開催に応じず解決の見通しは立っていません。
輸出管理をめぐり日韓関係の悪化が続く中、原告側は依然、資産を売却する方針を変えておらず、売却に踏み切れば日韓関係のさらなる悪化は避けられない見通しです。
-- NHK NEWS WEB