アメリカと中国の貿易摩擦の激化を受けて、日本企業の間では、アメリカに輸出する製品の生産を中国から東南アジアなどに切り替える動きが一段と進んでいます。
アメリカのトランプ大統領は今月1日、中国からのほぼすべての輸入品に来月から追加の関税をかけると表明するなど、貿易摩擦が一段と激しくなっています。
こうした中で、日本企業の間では関税の負担を抑えようと、アメリカ向けの製品の生産を中国からほかの国に移す動きが一段と進んでいます。
リコーはアメリカ向けに輸出してきた複合機の大部分について、生産をタイに切り替えました。中国の拠点では日本やヨーロッパに向けた製品を生産しています。
また任天堂は主力のゲーム機「ニンテンドースイッチ」の大半を中国で生産してきましたが、この夏からベトナムでも生産を始めていて、今後アメリカ向けについてはベトナムで生産することも検討しています。
シャープも今月、液晶ディスプレーや空気清浄機などを生産する工場をベトナムに新設する計画を明らかにし、今後の米中の関係しだいでアメリカ向けの生産を中国から移管することを検討することにしています。
このほか三菱電機がアメリカに輸出していた半導体と産業用機械の生産の一部を中国から日本に切り替えるなど、国内生産に切り替える動きもあり、こうした対応は広がりそうです。
-- NHK NEWS WEB