アフリカ中部、コンゴ民主共和国で流行が続くエボラ出血熱について、WHO=世界保健機関は開発中の2種類の薬が臨床試験で治療に効果があることを示したと発表し、流行の収束につながるか注目されています。
アフリカ中部のコンゴ民主共和国では、東部の北キブ州などで去年8月からエボラ出血熱が流行し、これまでにおよそ2800人の患者が確認され、およそ1900人が死亡しています。
WHOは去年11月からエボラ出血熱の治療に効果がある可能性のある薬の臨床試験を行っていましたが、12日、2種類の薬が優れた効果を示したと発表しました。
研究チームによりますと、臨床試験は4種の薬でおよそ700人の患者を対象に行われ、アメリカの製薬会社が開発した「REGNーEB3」を投与された患者の死亡率は29%、NIAID=アメリカ国立アレルギー・感染症研究所が開発した「mAb114」では34%で、ほかの2種類の薬と比べて顕著な違いを示したということです。
また感染の初期で血液中のウイルス濃度が低い段階で投与を受けた患者の場合、90%が生存したということです。
臨床試験に携わったNIAIDのアンソニー・ファウチ医師は「どちらの薬も高い効果を示していて、患者の治療に向けた大きな前進だ」と述べていて、流行の収束につながることが期待されるとともに、今後、新たな流行の発生を防げるか、注目されています。
-- NHK NEWS WEB