台湾の蔡英文総統は、関係が冷えこんでいる中国で現地に進出している台湾企業の活動が当局によって妨害される動きがあるとの見方を示し、懸念を表明しました。
蔡英文総統は5日、旧正月に合わせて台北で開かれた中国に進出している台湾企業の経営者などが政権幹部らと交流する会合に出席し、「1つの中国」の考え方の受け入れを迫る中国政府に対し、「新たな思考と方法で、相互交流の新しい方式を共同で作るべきだ」と述べ、これまでの枠にとらわれないよう訴えました。
そのうえで、蔡総統は「北京当局は台湾企業の経営上のさまざまな問題や困難を直視するとともに政治的な妨害を排除し、企業の合法的な権益を守るよう呼びかける」と述べて、企業の中国での活動が当局によって妨害される動きがあるとの見方を示し、中国側に対応を求めました。
会合では、中国との窓口機関「海峡交流基金会」トップの田弘茂理事長も、台湾企業が罰金を支払わされたり追加の税金を徴収されたりするケースが次々と報告されているとして、懸念を示しました。
一方、5日の会合には、中国に進出する台湾企業で作る主要な団体のトップが相次いで欠席し、中国との対話が途絶えたまま打開策を打ち出せない蔡政権の手詰まり感を印象づけるものとなりました。
-- NHK NEWS WEB