愛知県で開かれている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」で、展示が中止された慰安婦問題を象徴する少女像について、スペインの実業家が購入し、来年にも開館する美術館での展示を計画していることがわかりました。
愛知県で開かれている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」では、慰安婦問題を象徴する少女像などの展示コーナーが設けられていましたが、テロ予告や脅迫ともとれる電話やメールなどが相次ぎ、展示が中止になりました。
この少女像について、スペインの複数のメディアは、現地で映像関連の企業を共同経営する実業家、タチョ・ベネット氏が購入したと伝えました。
メディアの取材に対し、ベネット氏本人は、展示の中止を知って、少女像を制作した韓国人の作家から購入したことを明らかにしたうえで、早ければ来年にもみずからがバルセロナに開館する予定の美術館で展示する考えを明らかにしました。
美術館では、政治や倫理などさまざまな理由から世界各地で公開が中止された作品が展示される計画で、中には、去年、スペインの芸術祭で批判を受けて撤去された、北東部カタルーニャ州の独立運動の指導者をテーマにした作品もあるということです。
少女像などの展示が中止されたことについて、ベネット氏は「芸術作品が非難されただけでなく、表現に対する抑圧をテーマにした展示そのものが中止されたことは理解に苦しむ」と話しています。
-- NHK NEWS WEB