カナダの連邦倫理委員会は大手建設会社の汚職事件をめぐり、トルドー首相が当時の司法相に対して、刑事訴追を避けるよう圧力をかけていたとする調査結果を発表しました。トルドー首相はことし10月の総選挙で再選を目指していて、今後、影響があるか注目されます。
カナダではことし1月、突然交代を告げられた司法相が、リビアでのプロジェクト受注にまつわる大手建設会社の汚職事件をめぐって、政府による訴追裁量権への干渉があったなどと訴え、司法の独立が脅かされたとする疑惑が出ていました。
この疑惑を調査していたカナダの連邦倫理委員会は14日、トルドー首相が当時のウィルソンレイボールド司法相に対して、刑事訴追を避けるように圧力をかけていたとする報告書を発表しました。
これを受けてトルドー首相は「いくつか同意できない点はあるが、報告を受け入れ、すべての責任を負う」と述べていて、野党・保守党はトルドー首相の責任を追及する姿勢を見せています。
カナダのメディアは、トルドー政権発足以来初めての政治スキャンダルだと伝えていて、ことし10月に行われる総選挙で再選を目指すトルドー首相に影響があるか注目されます。
-- NHK NEWS WEB