あおり運転をしたうえ、男性を殴ってけがをさせたとして逮捕された宮崎容疑者は去年、京都市内のコンビニエンスストアの駐車場にとめたタクシーの車内で、運転手を監禁したとして逮捕されていました。被害にあった兵庫県に住むタクシー運転手の男性(47)がNHKの取材に応じ、「何をしたいのか分からず、正気じゃないと思った」と振り返りました。タクシー運転手の証言です。
去年3月21日の午前5時半ごろ、大阪中心部の繁華街で宮崎容疑者と連れの男性を乗せ、1キロほど離れたJR大阪駅近くのホテルに送りました。
その際「荷物を持ってくるから待っていてくれ」といわれましたが、ホテル側とトラブルがあったようで、2時間近く待たされたといいます。
天王寺区のJRの駅で連れの男性と別れて1人になったあと、宮崎容疑者の様子がおかしくなったといいます。
百貨店や飲食店、車のディーラーなど20か所近くを次々に回らされたそうです。
その間に阪神高速道路の環状線をゆっくり走るよう指示され、環状線を2周する間、宮崎容疑者は追い抜いていく車のナンバーを1台1台メモしていたということです。
宮崎容疑者は途中で警察にひんぱんに電話をかけて「幅寄せされた」とか、「囲まれている、助けてくれ」などと話していたといいます。
乗車していた時間は半日近くにおよびました。
タクシーの運転手は、前日の夜から勤務していたため交代したいと申し出ても拒否されたそうです。
さらに、車載電話を取り上げられたうえトイレにも行かせてもらえなかったということです。
タクシーの走行経路が不審だったことなどから会社が110番通報してパトカーが駆けつけ、宮崎容疑者は逮捕されました。
その後、起訴猶予となったということです。
タクシー運転手は「何をしたいのか分からず。正気じゃないと思っていました。今回逮捕されたと聞いてほっとしました」と話していました。
-- NHK NEWS WEB