ブラジルの国立宇宙研究所は、熱帯雨林のアマゾンで違法伐採が拡大する中、森林火災も記録的なペースで増加しているという調査結果を発表しました。
ブラジルには世界最大の熱帯雨林、アマゾンの3分の2以上が広がっていますが、ブラジルの国立宇宙研究所は20日、ことし1月から今月20日までの森林火災の発生件数が7万2000件と、去年の同じ時期に比べて83%多い記録的なペースで増加していると発表しました。
航空会社の中には森林火災の煙によって視界が遮られ、一部の便の運航に影響が出たケースもあったということです。
原因について専門家は、ブラジルでは家畜の放牧地を違法に広げるために人為的に森林火災を起こすことがあり、ことし1月に就任したボルソナロ大統領が、アマゾンの開発に積極的な姿勢を見せていることがこうした動きを助長していると指摘しています。
国立宇宙研究所は、今月半ばにも、先月破壊されたアマゾンの森林が去年の同じ時期の3.8倍に拡大していると発表していて、国際社会からは、ボルソナロ大統領に対して、アマゾンの保護に力を入れるべきだと批判が高まっていました。
一方でボルソナロ大統領は、今月初め、国立宇宙研究所の所長を「うそのデータを公表している」として更迭したほか、アマゾンの保全を求めるヨーロッパ各国にも反発していて、国際社会とのあつれきが強まっています。
-- NHK NEWS WEB