今月、漁が解禁されたあと異例の水揚げゼロが続いていた主力の北太平洋のサンマ漁で、22日朝、中型船が北海道根室市の港に戻り、例年より1週間ほど遅く初水揚げを行いました。ただ、水揚げ量は例年より少なく、地元の市場では去年のおよそ2倍の価格で取り引きされました。
サンマの水揚げ量が9年連続で全国一の根室市の花咲港には、22日朝、5隻の中型船が戻り、北太平洋の公海で取れたサンマを初水揚げしました。
サンマの棒受け網漁は今月10日以降、船の大きさごとに順次解禁されましたが、小型船が魚群を見つけられずいったん港に戻ったため、水揚げが全くない異例の事態となっていました。
待ちに待った初水揚げでしたが、今回は小ぶりなものが多く、水揚げの量もおよそ17トンにとどまりました。例年この時期には連日、100トン以上が水揚げされるだけに、中型船の漁労長の男性は「魚群が全く見つからない。大赤字で、燃料費にもならない」と話していました。港にある市場で行われた競りでは1キロ当たり高いもので2250円と、去年の中型船の初水揚げと比べておよそ2倍の価格で取り引きされました。
水産加工会社の経営者は「サンマは小さいが、取引先からの要望があり高値で買わざるをえない。経営にはダメージです」と話していました。サンマ漁は主力の100トン以上の大型船が、20日出漁していて、来週にも予定される初水揚げの行方が注目されます。
-- NHK NEWS WEB