アメリカのトランプ大統領は、大胆な利下げ要求に応じないFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長に対し、「本人が辞任を望むのなら、止めない」として不快感を示しました。
FRBのパウエル議長は23日、西部ワイオミング州で講演し、世界経済の状況について強い懸念を示し、FRBの来月の会合で追加の利下げに踏み切る可能性を示唆しましたが、トランプ大統領が求める大胆な利下げ要求への回答は避けました。
そのうえでパウエル議長は、貿易摩擦による景気の減速に金融政策で対応するのは限界があるとして、トランプ政権への不満をあらわにしました。
これに対してトランプ大統領は23日、記者団に「パウエル議長の発言は歓迎しない。彼はあまり上手なチェスの指し手ではないようだ」と述べ、不快感を示しました。
そのうえで、パウエル議長の辞任を求めるのかと記者から質問されると、「本人が望むのなら、止めない」と述べ、本人が辞任を申し出れば止めない考えを明らかにしました。
米中の貿易摩擦を背景にニューヨーク株式市場でダウ平均株価が急落する中、トランプ大統領は来年の大統領選挙に向けて景気の減速は何としても避けたい考えで、自身が要求する大胆な利下げに応じないパウエル議長に不満を募らせています。
-- NHK NEWS WEB