再生医療を手がける東京のクリニックの元院長が、雇用していた医師2人の給与をタックスヘイブンに設立した会社への広告宣伝費に仮装したとして、東京国税局から源泉所得税の徴収逃れを指摘されていたことが関係者への取材でわかりました。
東京国税局から徴収逃れを指摘されたのは、東京 港区で再生医療を手がける「表参道ヘレネクリニック」の院長だった松岡孝明医師です。
関係者によりますと、松岡元院長はクリニックで雇用していた医師2人にタックスヘイブンに会社を設立させ、この会社に広告宣伝費の名目で経費を支出していたということです。
しかし東京国税局は、この会社は実体のないペーパーカンパニーで医師の給与の一部を広告宣伝費に仮装したと判断し、源泉所得税の徴収逃れを指摘したということで、重加算税を含む追徴課税は3年間で合わせておよそ2500万円に上るということです。
また、松岡元院長はシンガポールに設立した会社からみずからが受け取った給与や株式の配当を国内で税務申告していなかったとして、国税局は海外での課税逃れを防ぐ「タックスヘイブン対策税制」を適用し、およそ1億円の申告漏れを指摘したということです。
NHKの取材に対し松岡元院長は「国税当局の指摘を受けすでに修正申告し納税を済ませている」とし、「皆様に多大なご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます」というコメントを出しました。
-- NHK NEWS WEB