次世代の通信規格「5G」が来年、日本でも本格的に始まるのを前に、大手通信各社はスポーツの大会で観客に技術を体感してもらうといった試験サービスに相次いで乗り出しています。
ソフトバンクは、今月22日に埼玉県で開催されたバスケットボールの日本代表の試合で、高速・大容量の5Gを使った試験サービスを提供しました。
会場に設置された30台のカメラの映像を観客がタブレット上で自由に切り替え、さまざまな角度から観戦できるようにしたほか、VR=仮想現実の技術に対応したゴーグルをつけることで、ゴールの下の迫力ある映像などを楽しめるようにしました。
体験した34歳の会社員の男性は「臨場感があって『すごい』のひと言です」と話していました。ソフトバンクモバイルネットワーク本部の野田真本部長は「多くの人に5Gならではの驚きを体験してもらい、本格サービスにつなげていきたい」と話していました。
一方、KDDIは、5Gをスポーツなどを行うイベント会場での警備に活用する仕組みを開発し、この秋以降、試験サービスを行う方針です。
ドローンやロボットカメラで撮影した高精細の映像を警備の拠点に送り、例えば、会場でひったくりなどでもみ合う事態が起きればAIを使って異常を感知するということです。
NTTドコモも来月開幕するラグビーワールドカップで、5Gを使ったスポーツ観戦のサービスを提供する方針で、試験サービスの動きが活発になっています。
-- NHK NEWS WEB