スーパーなどの小売業の間でこのところ、資本金を減らす「減資」を行う企業が増えています。消費税率の引き上げに伴うポイント還元制度の対象となる中小企業になることをねらっている可能性もあり、経済産業省は厳しく対応することにしています。
民間の信用調査会社 帝国データバンクによりますと、資本金の額を減らす「減資」を公表した小売業は、ことしは先月末までに412件と、去年の同じ時期の1.6倍に達し、この10年で最も多いペースになっています。
中でも資本金5000万円以下に減資して、法律上の中小企業になるケースが目立っているということです。
10月の消費税率の引き上げに伴って実施されるポイント還元制度の対象は、小売業では資本金5000万円以下などの条件を満たした中小の店舗に限られています。
減資は会社の信用度の低下につながる可能性もありますが、制度の対象となるほうがメリットが大きいと考えた会社があえて減資を行う可能性もあると指摘されています。
経済産業省は制度の信頼性に関わるとして、対象になることが目的の減資だと判明した場合には補助金の返還を求めるなど厳しく対応する方針です。
-- NHK NEWS WEB