就職情報サイト「リクナビ」の運営会社が、学生が内定を辞退する可能性を数値化して企業に提供していたことが問題となりましたが、これはどんなサービスだったのでしょうか。
これはリクルートキャリアが去年3月から提供を始めたもので、「リクナビDMPフォロー」と呼ばれていました。内定を出した企業が学生をつなぎとめる際などに活用することを目的に開発したとしています。
リクルートキャリアは、どのようにして学生が内定を辞退する可能性を数値化していたのでしょうか。
会社では、契約を結んだ企業から前の年度に内定を辞退した学生のデータの提供を受け、その学生のリクナビの閲覧履歴や閲覧時間などから、独自の予測モデルを作成していました。この予測モデルに就職活動中の学生の「リクナビ」の閲覧履歴などのデータを照合させることで、学生が内定を辞退する可能性を数値化し企業に提供していたのです。
このデータは「スコア」と呼ばれ、0から1の範囲で個人ごとに算出され、1に近い値ほど内定を辞退する可能性が高く、辞退の可能性は5段階で示されていました。
会社の説明によりますとリクナビにはおよそ80万人の学生が登録していて、今回は就職活動中の学生7万4878人が、データ予測の対象になっていたということです。さらに7983人については、本人の同意を得ないまま、企業に提供されていました。一方、会社側が「本人の同意を得た」としているおよそ6万7000人について、集めたデータの利用方法などを学生に説明するプライバシーポリシーには、「内定を辞退する可能性を数値化し企業に提供する」とまでは明示していませんでした。
データの利用方法について会社では、データを提供する企業との間で、採用選考の際の合否判定には使わないよう約束していたとしていて、26日の記者会見でも「合否判定に使った企業は1社もない」と説明しました。
一連の問題を受けてリクルートキャリアは今月4日にこのサービスの廃止を決め、データを提供していた企業にはデータを削除するよう依頼しているということです。
-- NHK NEWS WEB