アメリカで「オピオイド」と呼ばれる鎮痛剤の乱用で年間およそ5万人の死者が出ている問題をめぐり、南部オクラホマ州の裁判所は26日、医薬品大手の「ジョンソン・エンド・ジョンソン」に対し日本円でおよそ600億円の賠償金の支払いを命じました。
アメリカでは、「オピオイド」と呼ばれる鎮痛剤の乱用で、薬物中毒になる人が急増し、おととしには、年間およそ5万人の死者が出ていてトランプ大統領が緊急事態を宣言するなど、大きな社会問題となっています。
こうした事態を受けて、多くの州が製薬会社などの責任を問う裁判を起こしていますが、26日、オクラホマ州の裁判所は、オピオイドの製造、販売をしていた製薬会社の親会社で医薬品大手の「ジョンソン・エンド・ジョンソン」に対し、5億7200万ドル、日本円にしておよそ600億円の賠償金を支払うよう命じました。
判決で裁判所は「製薬会社などがオピオイドの処方量を増やすために、危険性を十分警告せずに医師らに働きかけたことが原因だ」とする主張を認め、被害の拡大に責任があると指摘しています。
これに対し「ジョンソン・エンド・ジョンソン」は判決を不服として上訴する方針を発表しました。
オクラホマ州はこの裁判の前に、2つの製薬会社と日本円で合わせておよそ380億円の和解金を受け取ることで訴訟の取り下げに合意していましたが、「ジョンソン・エンド・ジョンソン」は「不法行為はなかった」と主張して、訴訟が続いていました。
-- NHK NEWS WEB