アメリカ国防総省の高官は、軍事装備品の製造に重要なレアアースについて中国からの輸入に依存する現状を変えるため、同盟国のオーストラリアと連携して新たな調達先の確保を目指していることを明らかにしました。
アメリカ国防総省は、F35ステルス戦闘機やイージス艦などの軍事装備品に使用される希少な資源レアアースについて中国からの輸入に大きく依存している現状を変えるため、調達先の多角化を模索しています。
これについてロード国防次官は、26日の記者会見で、中国の国外にレアアースを精製する施設が少ないことから、世界のレアアースが精製施設のある中国に集まっていると課題を指摘しました。
そのうえで、同盟国のオーストラリアをこの夏に訪問した際、軍事装備品のためのレアアースの精製施設を両国が協力して建設できないか協議したことを明らかにし、オーストラリアと連携して新たな調達先の確保に努めていると強調しました。
ロード次官は詳細については明らかにしませんでしたが、オーストラリアの企業は、ことし5月、アメリカ南部テキサス州にレアアースの精製施設を建設する計画を明らかにしています。
レアアースの生産大国、中国は、アメリカとの貿易摩擦が激しさを増す中、レアアースの輸出を制限する可能性も示唆していて、アメリカは、石炭からレアアースを抽出する最新の技術開発を加速させるなど中国への依存を減らす対策を進めています。
-- NHK NEWS WEB