公的年金の将来の給付水準の見通しを示す「財政検証」の結果が公表されました。独身で老後に頼れる家族がおらず、収入が少ないため十分な貯蓄もできない。そんな人たちからは「年金だけで生活していけるのか」という不安の声が上がっています。
川崎市で1人暮らしをしている茂木直子さん(46)は、およそ15年前から非正規労働を続け、現在は金融機関で事務の仕事を行っています。フルタイムで働いているため厚生年金に加入していて、毎月およそ2万7000円の保険料を支払っています。
ただ、かつて失業して厚生年金への加入が空白だった期間もあり、将来受け取れる年金額はこのままでは月に10万円前後となる可能性があります。現在の収入は月に20万円ほどで老後に備えた貯蓄や投資を行う余裕はなく、このまま独身だった場合は頼れる家族もおらず、将来、収入源は年金だけとなるおそれもあります。
それだけに年金の給付水準が将来、落ち込んでいくという今回の財政検証の結果に大きな不安を感じています。
茂木さんは「毎月3万円近くを厚生年金として支払っているが、将来、自分が暮らせるような金額として戻ってくるのか心配です。単身の女性にとっては年金だけが頼りで、苦労して保険料を払っているのに水準が低くなるのは理不尽だと思います。体力面でも不安がありいつまで働き続けられるか分からないので、年金は頼りできる存在であってほしいです」と話していました。
-- NHK NEWS WEB