市販薬と効能が同じ花粉症の治療薬を医療保険の適用から外し、全額自己負担とすることなどを盛り込んだ健保連=健康保険組合連合会の提言について、日本医師会は「医療上必要な医薬品は保険の対象とすべきで、医療費削減ありきだ」などと批判しました。
大企業の従業員らが加入する健康保険組合でつくる健保連=健康保険組合連合会は先週、少子高齢化によって悪化している保険財政の改善に向けて、市販薬と効能が同じ花粉症の治療薬を医療保険の適用対象から外し、全額自己負担とすることなどを盛り込んだ提言を発表しました。
これについて、日本医師会の松本吉郎常任理事は記者会見で、「医療上必要な医薬品は保険の対象とすべきだ。患者が受診を我慢した結果、重症化してしまうことも懸念される」と述べ、保険の適用外とすることに反対する考えを示しました。
そのうえで、健保連の試算について「医療費削減ありきの分析で、大変失望している」と批判しました。
健保連は、保険の適用範囲の見直しを、中医協=中央社会保険医療協議会で議論するよう求めていますが、健保連の提言がどこまで反映されるかは不透明です。
-- NHK NEWS WEB