日本や中国、オーストラリアなどアジア太平洋の国々の中で、日本人の出世への意欲が最も低く、仕事以外で語学や資格の勉強といった自己研さんをしているという人の割合も突出して低いことが、民間のシンクタンクの調査で分かりました。
これは民間のシンクタンクの「パーソル総合研究所」が27日発表したもので、調査はことし2月から3月にかけて、日本、中国、インドネシア、オーストラリアなどアジア太平洋の14の国や地域の主要都市で働く人を対象にネット上で行い、20代から60代の男女合わせて1万4000人が回答しました。
この中で、会社で出世したいかどうかを5段階で尋ね、「とても出世したい」を5としたところ、タイが平均で4.7と最も高く、続いてフィリピンが4.6、インドが4.5などとなりました。
一方、日本は2.9と出世への意欲が最も低かったということです。
また、語学や資格の勉強といった自己研さんを会社以外でしているか尋ねたところ、「している」と答えた人は日本を除く国や地域で77%から98%に上ったのに対して、日本では53.7%にとどまり、自己研さんしている人の割合も日本人が突出して低いことが分かりました。
調査を行ったパーソル総合研究所の櫻井功シンクタンク本部長は「日本では経済成長が低い中で、出世しても給与が増えず権限も与えられないため、能力を高めようという意識が乏しくなっているのではないか。能力をつけて結果を出した人が報われる社会に変えていくことが求められる」と話しています。
-- NHK NEWS WEB