おととし、静岡県沖でアメリカ海軍のイージス艦と民間のコンテナ船が衝突し7人が死亡した事故で、運輸安全委員会は、イージス艦の乗組員がレーダーを適切に使っていなかった上、別の船に気を取られ、コンテナ船に対する見張りを正しく行えていなかったことなどが事故の原因だとする報告書をまとめました。
おととし6月、静岡県の伊豆半島沖でアメリカ海軍のイージス艦とフィリピン船籍で日本郵船のグループ会社が運航するコンテナ船が衝突し、イージス艦の乗組員7人が死亡しました。
事故原因を調査した運輸安全委員会の報告書によりますと、イージス艦の当直勤務をしていた乗組員がレーダーを適切に使わず、コンテナ船の正確な位置を把握できていなかった上、コンテナ船より先にすれ違う別の船に気を取られ、見張りを正しく行えていなかった事が考えられると指摘しています。
一方、コンテナ船の航海士らは、両船の位置関係からイージス艦が衝突を回避すると思い、そのまま航行したと考えられ、汽笛による警告信号は出していなかったと結論づけています。
運輸安全委員会は再発防止策として、乗組員はレーダーを含む航海計器を調整し、常時適切な見張りを行うことや、回避義務がない位置にいる船も衝突を避けるための動作を取ることなどが必要だとしています。
-- NHK NEWS WEB