今回の大雨で油が流出した佐賀県の鉄工所では、およそ30年前にも大雨で油が流出し、その後対策をとったものの、想定を上回る量の雨で工場内のタンクがあふれ再び油が流出したということです。
今回油が流出した佐賀鉄工所は、佐賀県と神奈川県の4か所に工場があり、主に自動車用のボルトを製造しています。
会社によりますと、流出した油は熱したボルトを冷まして強度を高める工程で冷却材として使う「焼入油」と呼ばれるもので、工場では「油槽」と呼ばれる8つのタンクにためて使用していましたが、今回の大雨でタンクに流れ込んだ水とともに流出したとみられています。
「焼入油」は燃えにくい性質だということですが、佐賀県によりますと、およそ5万リットルが流出したとみられるということです。
会社によりますと、今回、油が流出した佐賀県の大町工場では、平成2年にも同じように大雨で油が流出し、その後タンクの高さを上げたり工場に土のうを用意するなどの対策をとっていたということです。
佐賀鉄工所の江崎政良常務取締役は「前回の油の流出を受けて対策をしてきたのは間違いないが、今回は想定を超えた雨量で、流出してしまった。地元の自治体と情報を共有して対応にあたっていきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB