今月、東京 練馬区のプールで水面に浮かべた遊具の下で女の子が死亡した事故で、管理会社が「遊具の下への潜り込みは想定していなかった」と説明していることが、関係者への取材で分かりました。水面に浮かべる遊具には安全基準がなく、専門家はリスクを共有して安全対策を進めるべきだと指摘しています。
今月15日、東京 練馬区の遊園地、としまえんのプールで埼玉県の小学3年生、森本優佳さん(8)が水面に浮かべたマットのような遊具の下で溺れ死亡しました。
水面に浮かべる遊具には安全基準がなく、プールの管理会社は利用者に救命胴衣を着用させ複数の監視員も配置していましたが、「遊具の下への潜り込みは想定していなかった」と説明していることが関係者への取材で分かりました。
警視庁によりますと、事故当時、監視員が水中に潜って遊具の下を確認したのは森本さんを探し始めてからおよそ1時間後だったということです。専門家は遊具の下に子どもの体が入ってしまうリスクを広く共有して安全対策を進めるべきだと指摘しています。
安全工学が専門で子どものプール事故にも詳しい東京工業大学の西田佳史教授は「水面に光が反射すると水中を見通せなくなり、プールサイドからの監視だけでは不十分な場合がある。大型の遊具を浮かべる際は、水中を常に見守る仕組みが必要だ」と話しています。
-- NHK NEWS WEB