TICAD=アフリカ開発会議は30日、3日間の日程を終えて閉幕し、政府が採択を目指す「横浜宣言」には、中国によるいわゆる「債務のわな」を念頭に、透明性の高い融資の拡大や財政管理の重要性などが盛り込まれる見通しです。
3年に1度開催され、7回目を迎えたTICADは、横浜市で、安倍総理大臣とアフリカ50か国余りの首脳らが参加して、開発支援や経済関係の強化をテーマに議論が行われ、30日、3日間の日程を終えて閉幕します。
安倍総理大臣は29日の全体会合で、中国による巨額融資でアフリカ諸国が債務超過に陥り、中国側の意向を無視できなくなる、いわゆる「債務のわな」が進んでいることを念頭に、「借金漬けになっては民間企業のアフリカへの進出を妨げる」と懸念を示しました。
会議の成果として政府が採択を目指す「横浜宣言」には、高い経済的潜在力を有するアフリカへの投資や企業の進出を促進するとともに、持続的な成長を後押しするため、透明性の高い融資の拡大や、財政管理の重要性などが盛り込まれる見通しです。
また、海洋進出を強める中国を念頭に、インド太平洋地域の「航行の自由」や「法の支配」の重要性に加え、アフリカ諸国との海洋安全保障面での協力強化などが明記されるものとみられます。
-- NHK NEWS WEB