政府が出資する「日本貿易保険」のシステム開発の入札をめぐり、技術的な評価基準などを漏えいしたとして逮捕された元顧問は、入札に参加する業者が提案書を出したあと、落札業者を選定中に、漏えい先の業者が有利になるよう評価基準を変更していたことが捜査関係者への取材で分かりました。警視庁は、落札を確実にしようとしたとみて調べています。
日本企業が海外で取り引きをする際に保険を提供している「日本貿易保険」の元顧問、浅原泉容疑者(72)は、システム開発に関する入札をめぐり、技術的な評価基準などを千代田区の情報システム会社に漏えいしたとして、入札妨害の疑いで逮捕されました。
浅原容疑者は、入札の際に評価基準などを決める「技術審査委員会」に所属していましたが、その後の調べで入札に参加する業者が提案書を出したあと、落札業者を選定している間に漏えい先の会社が有利になるよう、さらに評価基準の変更を社内で持ちかけていたことが捜査関係者への取材で分かりました。
評価基準の一部について、すべての項目を満たしていないと0点にするように変更されたということで、評価基準を知る会社がより有利になるということです。
警視庁は、漏えい先の会社の落札を確実にしようとしたとみて調べています。
-- NHK NEWS WEB